CreativeNews
2026年3月11日

「ウチの重機、ちょっと見て」時事ネタ×SNSでバズる新世代の採用広報戦略

migimi

Creative Jump

「採用サイトを立派に作っても、そもそも学生が見に来てくれない」
「BtoB企業やニッチな業界の良さを、どうやって若者や求職者に伝えればいいのか?」

人口減少と売り手市場が加速する中、「知名度のない企業」が採用活動で埋もれてしまうのは、多くの人事担当者が抱える深刻な課題です。

この記事では、「堅苦しい」と思われがちな企業が、SNSとユーモアを武器にして求職者の心を掴んだ「バズる採用広報」の最新トレンド(新光重機や講談社などの事例)を解説します。

「仕事の魅力」を真正面から語るだけでは届かない時代に、企業はどうやって魅力を「翻訳」すべきかのヒントが満載です。

【事例の概要】

  • 業界: 重機レンタル(新光重機)、出版(講談社)、航空(JALスカイ)など
  • 時期: 2024年〜2025年最新トレンド
  • 概要:
    BtoB企業であり、一般消費者に馴染みの薄い「新光重機」は、自社の重機とSNS上の「時事ネタ・ネットミーム」を鮮やかに組み合わせた大喜利のような画像をX(旧Twitter)上で連発。その圧倒的なセンスと「重機」という無骨なモチーフとのギャップが話題を呼び、若年層を含む数万人のフォロワーを獲得しました。
    また、JALスカイなどの大手企業も、従来の「綺麗なパンフレット」を捨て、InstagramやTikTokで裏方のリアルな姿や社員の素顔(時には失敗談や雑談ベースの動画)を配信。これらの「着飾らない、クスッと笑える発信」が、結果的に企業認知度の爆発的な向上と、エントリー数の増加に直結する採用広報の成功例となっています。

【ここがスゴイ!3つのポイント】

1. 「広告」ではなく「エンタメ」として情報を届ける

求職者、特にZ世代は「企業が用意した建前の情報」を瞬時に見抜いてスルーします。話題になった事例の共通点は、伝えたいメッセージ(うちの会社は風通しがいい、面白い仕事だ)を直接言葉にするのではなく、面白いSNS投稿という「エンタメコンテンツ」に変換して届けたことです。結果として、「この会社、なんか面白そうだから受けてみよう」という感情的な動機を生み出しています。

2. 業界の「当たり前」を逆手に取ったギャップ萌え

「重機レンタル」や「老舗企業」といった、世間が勝手に抱いている「お堅い・古臭い」というイメージを逆手に取っています。重い鉄の塊である重機が、流行りのSNSミームに乗っかっている滑稽さやギャップこそが、人々の「誰かに言いたい(シェアしたい)」という欲求を強く刺激しました。自社の弱みや固定観念を、最強の武器に裏返した好例です。

3. 「盛らないリアル」でカルチャーマッチを促進する

過度に装飾された「仲の良すぎる社員の写真」よりも、TikTokで流行りの音源に合わせてちょっと照れながら踊る社員や、Instagramのストーリーズで流れる日常の業務風景のほうが、求職者にとっては「本当の社風」として生々しく伝わります。入社後の「こんなはずじゃなかった」というギャップ(早期離職の最大の原因)を、採用前の素直な情報発信によって防いでいます。

【実践への応用(Takeaway)】

この事例から学べるのは、「自社の『堅さ』『真面目さ』を一度解体し、SNSの文脈に合わせて再構築してみる」というチャレンジ精神です。

■ 明日から試せる具体的なアクションプラン

  1. SNS運用の「権限」を若手に現場移譲する
    バズるSNSコンテンツは、何枚もの稟議書を通している間に鮮度を失います。「企業の公式見解」ではなく「現場のリアルな空気」を伝えるために、ガイドラインを定めた上で、実際のターゲットに近い若手社員にSNSの企画・投稿を一任(または大幅に裁量を与える)する体制を作りましょう。
  2. 「自社の当たり前」を外部の目で面白がる
    社内では日常の風景でも、外から見れば「なんだこれ!?」という要素が必ずあります。特殊な社内用語、やたらデカい業務用の機械、社長の変わったルーティンなど。それらを採用広報の「ネタ」として面白おかしく切り取れないか、ブレインストーミングを行ってみてください。

【まとめ】

2025年の採用広報における最強の武器は、莫大な予算をかけたCMでも立派なオフィスでもありません。「この会社の人たちと一緒に働いたら、毎日が楽しそう」と思わせる「人間味」と「ユーモア」です。

「どうすればウチの会社をよく見せられるか?」という視点を捨て、「どうすれば自社の面白さを世の中に面白がってもらえるか?」にシフトした時、採用活動は劇的に変わり始めます。

Written By

migimi

株式会社クリエイティブジャンプのメンバー。マーケティングとクリエイティブの最前線で活動しています。