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飲食店LINEの登録経験は2割どまり。調査結果から見えた「近距離マーケティング」の重要性

migimi

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クリエイティブジャンプが実施した飲食店LINE調査では、直近3カ月以内の登録経験は20.8%にとどまる一方、登録者の85.4%が来店・注文経験ありという結果が見えてきました。調査結果をもとに、実店舗における近距離マーケティングの重要性を整理します。

飲食店の集客というと、SNSや広告、グルメサイトなどを通じた新規集客に意識が向きがちです。
一方で、実店舗では、一度来店したお客様とどうつながり、次の来店につなげるかも同じくらい重要です。

クリエイティブジャンプでは、店頭・レジ前・テーブル・スタッフとの会話・LINE公式アカウントなど、来店時の近い接点を起点に関係を深めていく考え方を、「近距離マーケティング」と捉えています。今回実施した飲食店LINE調査では、まさにその重要性を裏づける結果が見えてきました。

この記事では、調査結果をもとに、飲食店LINEの現状と、そこから見えてくる近距離マーケティングのポイントを整理します。


今回の調査で見えてきたこと

まず事前調査では、過去3カ月以内に飲食店のLINE公式アカウントを友だち追加したことがある人は、1,000人中208人、割合にして20.8%でした。

この数字だけを見ると、飲食店LINEはまだ広く登録されている施策とは言えません。
多くの店舗にとって、「来店したお客様をその場でLINEにつなげること」自体が、まだ簡単ではないことがうかがえます。

一方で、本調査ではまったく違う結果が見えてきました。

「過去1年以内に、飲食店のLINE配信やクーポンをきっかけに来店・注文したことがありますか」という設問に対し、「何度もある」が47.5%、「1〜2回ある」が37.9%。
合計で85.4%が来店・注文経験ありと回答しました。

つまり、飲食店LINEは登録率だけを見ると伸びしろが大きい一方で、一度つながることができれば、再来店や注文のきっかけとして十分に機能しうることが分かります。


調査結果が示しているのは、「近距離マーケティング」の課題と可能性

今回の結果をどう読むか。
そこで重要になるのが、近距離マーケティングという視点です。

飲食店LINEは、登録されなければ価値が届きません。
だからこそ、LINEそのものの良し悪し以上に、来店中の接点をどう設計するかが成果を左右します。

登録経験は20.8%にとどまる。
でも、登録後は85.4%が来店・注文経験ありと答えている。

この構造は、飲食店LINEの課題が「効果が弱いこと」ではなく、近距離マーケティングとしての入口設計にあることを示しています。

QRコードを置くだけでは登録されない。
その場で登録したくなる理由が必要になる。
登録後も価値が届く設計が必要になる。

つまり今回の調査結果は、LINE活用の話であると同時に、来店後のお客様との接点設計、すなわち近距離マーケティングの重要性を示していると捉えられます。


登録の壁をどう越えるかが、近距離マーケティングの分かれ目になる

今回の調査から見えてきたのは、飲食店LINEの課題は「配信しても意味がない」ことではなく、そもそもどうやって登録してもらうかにあるということです。

お客様にとって、

  • なぜ今ここで登録するのか
  • 登録すると何があるのか
  • 登録後にどんな価値が届くのか

このあたりが見えなければ、行動にはつながりにくくなります。

だから、近距離マーケティングで重要なのは、LINEを開設することそのものではなく、来店中のどこで、どんな価値を理由に、どうつながるかを設計することです。

店頭の見せ方。
レジ前の案内。
テーブル上のPOP。
スタッフのひと言。
会計時の訴求。
こうした接点の積み重ねが、登録率を大きく左右します。

今回の調査結果は、そのことを数字で示してくれたと言えます。


誰に何をどう届けるかも、近距離マーケティングの質を左右する

今回の調査では、誰に対しても同じ訴求でよいわけではないことも見えてきました。

世帯年収別に見ると、LINE登録経験率は500万円未満で12.9%、500万〜1,000万円未満で26.2%、1,000万円以上で35.6%となり、世帯年収が高い層ほど登録経験率が高い傾向が見られました。

また、世帯年収1,000万円以上の層は、LINEをきっかけに「何度も来店・注文したことがある」と答えた割合も高い一方で、「同じような内容ばかり届く」ことにはより厳しい傾向が見られました。

友だち追加のきっかけにも差があります。
女性は「その場で使える割引クーポン」に反応しやすく、男性は「無料トッピングやサイズアップ」など、体験向上型の特典に反応しやすい傾向が見られました。

年代別では、30代は比較的登録されやすく、40代は登録後の来店効果が特に高い結果となりました。

こうした結果から見えてくるのは、近距離マーケティングは単に“近い接点を持つ”だけではなく、誰に、どんな価値を、どう見せるかまで含めて設計することが重要だということです。


遠距離施策の前に、近距離の受け皿を整える

今回の調査結果を踏まえると、飲食店集客では、SNSや広告のような遠距離の施策だけでなく、来店後のお客様を受け止める近距離の受け皿を整えることが重要だと改めて感じます。

せっかく来店してくれたお客様がいても、その場でつながれなければ次につながりにくい。
つながれたとしても、価値設計が弱ければ継続的な来店にはつながりにくい。

逆に言えば、近距離マーケティングの設計が整っていれば、一度の来店をその場限りで終わらせず、次の来店理由へとつなげていくことができます。

今回の結果は、飲食店LINEの有効性を示すだけでなく、実店舗において近距離マーケティングをどう整えるかが、売上改善の重要なテーマであることを示しているように思います。


今回の調査結果から言えること

今回の調査から見えてきたのは、飲食店LINEは登録率だけを見るとまだ伸びしろが大きい一方で、登録後は再来店や注文のきっかけとして十分に機能しうるということでした。

そしてその構造は、単なるLINE運用の話ではなく、来店時の近い接点をどう活かすかという、近距離マーケティングの課題そのものでもあります。

課題は「LINEが効くかどうか」ではなく、
その場で登録したくなる理由をどうつくるか。
登録後の価値をどう感じてもらうか。
そこにあると考えられます。

今回の調査結果は、新規集客だけでなく、来店後のつながりづくりまで含めて考えることの重要性を、あらためて示してくれました。


調査リリース全文はこちら

今回の調査結果をまとめたプレスリリースは、PR TIMESにて公開しています。
詳しい数値や調査概要をご覧になりたい方は、ぜひあわせてご覧ください。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000180781.html


まとめ

飲食店LINEは、登録率だけを見るとまだ一般化しているとは言えません。
ただ、一度つながることができれば、再来店や注文のきっかけとして強く機能する可能性があります。

そして今回の調査結果が示しているのは、その成果の分かれ目が、来店後のお客様との接点をどう設計するか、つまり近距離マーケティングにあるということです。

クリエイティブジャンプは、今後もこうした調査や実践を通じて、実店舗における近距離マーケティングのあり方を発信していきます。

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migimi

株式会社クリエイティブジャンプのメンバー。マーケティングとクリエイティブの最前線で活動しています。