真冬にアイスが売れる理由。明治「温冷濃厚体験」の逆張り戦略
「自社商品の強みが伝わらない」「定番商品なので、新しい切り口でのPRが難しい」
マーケティング担当者なら一度はぶつかるこの壁。特に季節感の強い商品は、特定のシーズン以外では売上が伸び悩み、プロモーションもマンネリ化しがちです。
この記事では、本来ならアイスの売れ行きが鈍る「真冬」に、あえてアイスの魅力を最大化する体験型プロモーションを仕掛けた「明治 Dear Milk」の2025年最新事例をご紹介します。
常識を覆す「逆張り」のアイデアと、五感に訴えかける体験設計のヒントがここにあります。
【事例の概要】
- 企業名: 株式会社 明治
- プロジェクト名: 「明治 Dear Milk」温冷濃厚体験イベント(何も足さない?カフェ)
- 時期: 2025年12月
- 概要:
冬限定の濃厚ミルクアイス「明治 Dear Milk 特濃」の発売に合わせ、二子玉川ライズにて期間限定カフェをオープン。「真っ白なこたつ席」を用意し、温かいドリンク(コーヒーやココアなど)と冷たいアイスクリームを交互に味わう「温冷濃厚体験」を提供しました。SNS発信を条件とした無料サンプリングも実施。真冬に野外でアイスを食べるという非日常的な体験が、SNSを中心に大きな話題を呼びました。
【ここがスゴイ!3つのポイント】
1. 「冬にアイス」という究極の逆張り(マーケティング視点)
アイス=夏という固定観念を打破し、「ミルクの濃厚さや余韻を最も感じられるのは、温かい飲み物と合わせた時だ」という新しい価値基準(文脈)を定義しました。さらに「こたつ」という冬の最強アイテムを組み合わせることで、「冬だからこそ美味しい」という理由付けを見事に成功させています。弱みを強みに変える、逆転の発想です。
2. コントラストで商品の輪郭を明確にする(デザイン・体験設計)
「温かい/冷たい」「甘い/苦い(コーヒー等の場合)」。相反する2つの要素をぶつけることで、主役であるアイスの「濃厚さ」や「冷たい口どけ」がより鮮明に際立ちます。あえて比較対象(コントラスト)を用意することで、消費者の「味覚の解像度」を強制的に引き上げる巧妙な体験設計がなされています。
3. 写真を撮りたくなる「シチュエーション」の構築(UGC視点)
街中に突如出現する「真っ白なこたつ」。それだけで強烈な違和感があり、思わず写真を撮って誰かに共有したくなる(InstagramやXでのUGC誘発)仕掛けとして機能しています。商品そのもののパッケージではなく、「その商品を食べている状況(シチュエーション)」自体をフォトジェニックに演出している点が秀逸です。
【実践への応用(Takeaway)】
この事例から学べるのは、「あえて商品にとって一番過酷な環境(逆境)に置いてみる」という思考法です。
■ 明日から試せる具体的なアクションプラン
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* **「逆境マトリクス」を作成する**
自社商品やサービスが「一番売れない時期」「一番使われない場所」「最悪の組み合わせ」をリストアップします。
* **その逆境を「最高の舞台」に変換するストーリを考える**
例えば、「雨の日にしか売れない日傘(=憂鬱な雨を弾く最強のシールド)」「夜中にしか読めない参考書(=集中力MAXの特化型テキスト)」など、逆境だからこそ輝く理由(ストーリー)をこじつけてみてください。それがそのまま、新しいキャンペーンの切り口になります。
【まとめ】
明治「Dear Milk」の温冷濃厚体験は、商品のスペックを語るのではなく、「新しい食べ方(ライフスタイル)」を提案することで需要を創造したお手本のようなプロモーションです。
「今の時期は売れない」と諦める前に、「どうすればこの季節が味方になるか?」を考えるクセをつけることが、突破口を開く鍵になります。ぜひ、あなたのビジネスでも「逆張り」のクリエイティブを試してみてください!