近距離マーケティング実践編 LINEが活きる「来店前後の導線」の整え方

前回の記事では、
中小企業のマーケティングは、まず近距離から整えた方がいい、という話を書きました。
そして、その中心にあるのがLINE公式アカウントです。
今回はその続きとして、
じゃあ実際に近距離マーケティングをどう整えていけばいいのか、ということを書いてみます。
今回、飲食店のLINE活用について調査をしていて、改めて感じたことがありました。
それは、LINEは放っておいても自然に増えるものではないということです。
でも一方で、つながったあとはかなり強いということでもあります。
今回の調査では、過去3カ月以内に飲食店のLINE公式アカウントを友だち追加したことがある人は、1000人中208人でした。
一方で、その登録者のうち、約86.5%がLINE配信やクーポンをきっかけに来店・注文したことがある、という結果も出ました。
この数字を見て思ったのは、
飲食店にとって大事なのは「LINEって意味あるの?」を考えることではなくて、
どうやって自然に登録してもらえる状態をつくるかなんじゃないか、ということです。
そして、そのことを考え始めると、近距離マーケティングはLINE登録後の運用の話だけではなく、
LINEが活きる状態を来店前後でどうつくるかの話なんだと思うようになりました。
近距離マーケは、登録後ではなく登録前から始まっている
LINE運用というと、つい
- 何を配信するか
- どんなクーポンを出すか
に意識が向きやすいと思います。
もちろん、そこも大事です。
でも今回の調査結果を見ていると、その前にもっと大事なことがあります。
それが、登録されるまでの流れです。
そもそも登録経験者が2割くらいしかいないということは、
ただアカウントを作っただけでは増えないし、
レジ横にQRコードを置いただけでも増えない、ということです。
お客さんからすると、
- 登録すると何があるのか
- 登録する意味があるのか
がわからないと、なかなか動きません。
だから近距離マーケティングは、LINE登録後から始まるというより、
お店を見つけたとき、店頭に立ったとき、注文したとき、会計したときから始まっている
と考えた方が自然だと思っています。
つまり、登録後の運用を頑張る前に、
まずは登録したくなる理由がちゃんと伝わっているかを整える必要がある、ということです。
近距離マーケの中心はLINE。だからこそ、その前後を整える
では、近距離マーケティングの中心は何か。
やっぱりそれは、LINE公式アカウントだと思います。
なぜなら、一度つながることができれば、その後にできることがかなり多いからです。
たとえば、
- クーポンを送れる
- アンケートを送れる
- ポイントカードをつくれる
- リッチメニューを設定できる
- 他の導線をわかりやすくまとめられる
- ミニアプリまで活用すれば、会員証や事前注文、来店履歴の管理などもできる
- その先には顧客分析にもつなげられる
こうして見ると、LINEはただのお知らせツールではありません。
再来店のきっかけをつくれるし、
お客さんのことを少しずつ知っていく土台にもなる。
そこが強いところだと思っています。
だからこそ近距離マーケティングを整えるというのは、
LINEだけを見ることではなくて、
- どうしたら自然にLINE登録につながるか
- 登録後にどうしたらまた来てもらえるか
まで含めて考えることなんだと思います。
ここからは、そのために実際どこを整えていけばいいのかを書いていきます。
まず整えたいのは、「登録する理由」が伝わること
近距離マーケティングを考えるとき、最初に見直したいのは、
お客さんに登録する理由がきちんと伝わっているかです。
お店側はつい、「LINEをやっています」と伝えれば十分だと思いがちです。
でもお客さんが知りたいのは、LINEがあることそのものではなく、
登録すると何があるのかです。
たとえば、
- 「LINE友だち追加で初回クーポン」
- 「雨の日はLINE会員ポイント2倍」
- 「LINE登録で限定情報を配信」
- 「次回来店がお得になります」
こういう情報があるだけで、
「それなら登録しておこうかな」と思う理由が生まれます。
今回の調査でも、LINE登録者の多くが、配信やクーポンをきっかけに来店・注文しています。
つまりお客さんは、LINEという仕組みそのものよりも、
つながった先で何があるのかに反応しているんだと思います。
だから近距離マーケティングでは、まず
登録のお願いをする前に、登録する意味を伝えることが大事なのだと思います。
看板は「知ってもらう」だけじゃなく、「登録する理由」を伝える場所
その意味で、まず見直したいのが看板です。
看板というと、店名や商品名を伝えるものになりがちです。
もちろんそれも大事です。
でも近距離マーケティングの視点で見ると、看板はそれだけではもったいないと思っています。
なぜなら、看板はお客さんが店を認識するだけではなく、
次の行動を考える最初の接点にもなるからです。
たとえば、
- 「LINE友だち追加で初回クーポン」
- 「雨の日はLINE会員ポイント2倍」
- 「LINE登録で限定情報を配信」
こうした一言が入るだけで、
ただ店を知るだけではなく、登録する意味まで伝えられるようになります。
看板は「知ってもらう」ためのもの、で終わらせるのではなく、
登録したくなる理由を伝える場所として使える。
ここはかなり大きいと思っています。
店頭コミュニケーションも、「お願い」より「理由」が大事
そして、看板と同じくらい大事なのが店頭でのひとことです。
ただ、
「LINEやってます。よかったら登録してください」
だけだと、少し弱いことが多いです。
お客さんからすると、お願いされている感じはあるけれど、
自分にとって何がいいのかはまだ見えていないからです。
それよりも、
- 「次回来店で使えるクーポンが届きます」
- 「ポイントカードもLINEで貯まります」
- 「雨の日は会員さんだけ特典があります」
- 「限定メニューはLINEで先にご案内しています」
みたいに、登録した先に何があるかを一言添えた方が自然です。
人は「登録してください」にはあまり動かなくても、
「それなら登録しておこうかな」には動きやすい。
だから店頭コミュニケーションで大事なのは、お願いすることというより、
登録したくなる理由を手渡すことなんだと思います。
看板で意味が伝わり、店頭でもう一押しされる。
この流れがあるだけで、LINE登録率はかなり変わってくるはずです。
そして、登録後は最初の設計でかなり変わる
ここまで書いてきたのは、登録前の話です。
でももちろん、近距離マーケティングは登録してもらったら終わりではありません。
むしろ今回の調査を見る限り、
登録された後のLINEはかなり強いです。
だからこそ、登録された直後の設計もすごく大事です。
せっかく友だち追加してもらっても、
- そのあと何も届かない
- 何ができるのかわからない
- 使いどころが見えない
これだと、存在を忘れられて終わってしまいます。
なので最初の段階で、
- 友だち追加ありがとうメッセージ
- 初回クーポン
- ポイントカードの案内
- リッチメニューの整理
- 人気商品の案内
- よく使う導線の設置
このあたりがあると、かなり違います。
LINEは、作っただけで価値が出るものではなくて、
登録した人が「使える」「また見よう」と思える状態になって、初めて強くなる
んだと思います。
つまり、登録前の導線と、登録後の導線。
その両方がそろって、ようやくLINEは活きる。
これが近距離マーケティング実践のポイントなんだと思います。
LINEのいいところは、「届ける」だけじゃなく「知れる」ところにもある
さらに、LINEの良さは、ただ情報を送れることだけではありません。
むしろ、その先にある
お客さんのことを少しずつ知っていけるところが大きいと思っています。
たとえば、
- どんなクーポンに反応があるのか
- どんな配信だと来店につながるのか
- どんなメニューに興味があるのか
- どんなお客さんがよく戻ってきてくれるのか
アンケートや反応の違いを見ていくと、少しずつ見えてくるものがあります。
さらにミニアプリまで入ってくると、
会員証、来店履歴、注文、属性などもつながっていって、
LINEは「配信ツール」よりもっと広い存在になっていきます。
そうなると、LINEは販促の道具というより、
お客さんとの関係を育てる土台になっていくんだと思います。
だから近距離マーケティングは、単にクーポンを配る話ではなくて、
来店前後の接点を通じて、お客さんとの関係を少しずつ育てていく話でもあるのだと思います。
近距離マーケを整えるって、つまりこういうことだと思う
ここまで書いてきたことをまとめると、
近距離マーケティングという言葉は少し広く聞こえるかもしれませんが、
実際にやることはわりとシンプルです。
- どうやってLINE登録率を上げるか
- 登録後にどうやって再来店率を上げるか
この2つを考えることです。
そのために、看板がある。
店頭コミュニケーションがある。
そしてその中心に、LINE公式アカウントがある。
今回の調査を通して改めて思ったのは、
LINE運用が大事なのではなく、LINE運用がちゃんと活きるように来店前後の導線を整えることが大事だということでした。
LINE登録率は自然には高くならない。
でも、つながったあとのLINEはちゃんと強い。
だからこそ、登録後の配信だけではなく、
登録前から「つながりたくなる理由」を整えておく。
それが、近距離マーケティング実践編としてまず最初にやるべきことなんだと思います。


