相手に合わせて、伝わる表現をつくる 『内向外向マーケティング』入門

広告、SNS、ホームページ、営業資料。
内容は悪くないのに、なぜか反応が薄い。
そんなとき、『もっと強い言葉にしよう』『もっと目立つデザインにしよう』と考えることがあります。
もちろん、それで良くなる場合もあります。
ただ、伝わらない理由は、言葉が弱いからとは限りません。
相手が安心したいのに、勢いだけで伝えている。
逆に、背中を押してほしい相手に、説明ばかりしている。
こうしたズレがあると、どれだけ良い内容でも伝わりにくくなります。
そこで役に立つのが、内向外向マーケティングです。
内向外向マーケティングとは
内向外向マーケティングとは、相手や場面に合わせて、伝え方を変える考え方です。
ここでいう内向・外向は、性格の話ではありません。
- 外向:まず目を引く。気持ちを動かす。行動を後押しする。
- 内向:不安をなくす。分かりやすく説明する。納得して選んでもらう。
大切なのは、どちらが正しいかではありません。
今の相手に、どちらの伝え方が必要か。
そこを考えることが、内向外向マーケティングです。
外向|まず、目を止めてもらう
外向的な表現は、まだ自社に興味を持っていない人や、迷っていて行動できない人に向いています。
たとえば、
- 一目で意味が分かる強いコピー
- 期間限定や数量限定のキャンペーン
- 『今やる理由』が伝わる訴求
外向の役割は、まず『気になる』をつくることです。
SNS、広告、店頭POP、キャンペーン告知では、少し強い表現が必要になることがあります。
ただし、目を引くだけでは選ばれません。
興味を持った後に、『本当に自分に合うか』『安心して選べるか』が分からなければ、相手はそこで止まってしまいます。
内向|安心して選べるようにする
内向的な表現は、比較している人や、失敗したくない人に向いています。
たとえば、
- 料金やサービス内容を分かりやすく伝える
- 実績や事例を丁寧に紹介する
- よくある不安や質問に答える
内向の役割は、『ここなら大丈夫そうだ』と思ってもらうことです。
特に、高額な商品やサービス。
初めて使うサービス。
失敗したくない選択。
こうした場面では、安心材料が足りないだけで選ばれにくくなります。
よくあるのは、どちらか一方に偏っている状態
表現がうまくいかないときは、外向か内向のどちらかに偏っていることがあります。
外向に偏りすぎている場合
広告やSNSは目立つ。
キャンペーンもある。
でも、料金や内容、利用の流れが分かりにくい。
この状態では、興味は持たれても、『自分に合うか分からない』で止まってしまいます。
内向に偏りすぎている場合
説明は丁寧。
情報もそろっている。
でも、最初に目を止めてもらう理由が弱い。
この状態では、良い内容でも読まれず、比較の候補に入れないことがあります。
多くの場合、必要なのは全部を作り直すことではありません。
今足りていない方を、少し足すことです。
表現の問題は、『言葉選び』より『相手とのズレ』
たとえば、こんな状態です。
SNSは見られているのに、問い合わせにつながらない。
目を引く表現はあるけれど、安心してもらう情報が足りないかもしれません。
ホームページは丁寧なのに、最初に読まれない。
説明はあるけれど、興味を持ってもらう入口が弱いかもしれません。
広告の反応はあるのに、商談で決まりにくい。
興味を持ってもらう表現と、納得してもらう表現がつながっていないかもしれません。
強く言うべきか。
丁寧に説明すべきか。
この二択ではありません。
相手が今、何を知りたいのか。
何に迷っているのか。
そこに合わせて伝え方を選ぶことが大切です。
まずは、自社の表現を2つに分けてみる
今使っている広告、SNS、ホームページ、営業資料などを見ながら、次の2つに分けてみてください。
- 外向:興味を持ってもらう、目を止めてもらう、行動を後押しする表現
- 内向:安心してもらう、比較しやすくする、納得して選んでもらう表現
そのうえで、次の問いを考えてみてください。
- 最初に目を止めてもらう理由はあるか
- 興味を持った後、不安をなくす情報はあるか
- 相手にとって、強すぎる言い方や、弱すぎる言い方になっていないか
どちらかが極端に少なければ、そこが今の改善ポイントかもしれません。
内向外向マーケティングは、派手な表現をつくるための考え方ではありません。
相手に合わせて、必要な伝え方を選ぶための考え方です。
誰に、どう伝えるか。
そこから見直すと、今ある広告、SNS、ホームページ、営業資料も、もっと伝わりやすくなります。


