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10年続くお店を見てわかった。長く続く店は中距離マーケティングが強い

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10年続くお店を見てわかった。長く続く店は中距離マーケティングが強い

近距離・遠距離だけではなく、「地域の中でどう存在しているか」が効いている

お店の集客というと、ついわかりやすいものに目が向きます。

LINE公式アカウント。
Instagram。
広告。
Googleマップ。
チラシ。
クーポン。

もちろん、どれも大事です。

でも、長く続いているお店を見ていると、それだけでは説明しきれない強さを感じることがあります。

それが何かというと、私は最近
「中距離マーケティング」
なのではないかと思っています。

近距離マーケティングは、来店後や接客中の接点です。
LINE公式アカウント、会話、接客、店頭POP、ポイントカードのようなもの。

遠距離マーケティングは、もっと広く認知を取るための接点です。
SNS、広告、プレスリリースなど。

その間にあるのが、中距離マーケティングです。

たとえば、

地域のお店とのつながり。
商圏内での挨拶回り。
生活圏の中での認知。
近所の人に「あのお店ね」と思ってもらえる関係性。

こういうものです。

この中距離って、派手ではないし、数字にも出しづらい。
でも、長く続くお店ほど、実はここが強い気がしています。

オープンのタイミングで声をかけてもらったイタリアンのこと

学生時代、私はあるイタリアンのお店でアルバイトをしていました。

そのお店は、オープンのタイミングで声をかけてもらって入ったお店です。
そして今、そのお店は10周年を迎えています。

オーナーはオープン前に、地域のお店へ挨拶回りをしていたそうです。
単に「新しく開店します、よろしくお願いします」というだけではなく、地域の中で協力してもらえる関係をつくっていた。

いわば、オープン前から
地域の中に味方をつくっていた
ということだと思います。

こういう話って、SNS運用のノウハウみたいに派手ではありません。
でも、すごく大事なことだと思うんです。

実際、そのお店には今でも周りの飲食店オーナーさんたちが、営業終わりに飲みに来ることがあるそうです。

それって、単に料理がおいしいとか、接客がいいとか、そういう話だけではないはずです。
(ちなみに、料理は世界一美味しいですし、接客も大好きです)

地域の中でちゃんと関係を築いてきたから、
「行きたくなる店」
「応援したくなる店」
「顔を出したくなる店」
になっている。

これはすごく強いことだと思います。

カーブスも、新店舗オープン前に地域へ挨拶回りをする

以前働いていた女性専用フィットネスのカーブスでも、新店舗をオープンするときには地域への挨拶回りをしていました。

これも最初は、「へえ、そういうことをするんだ」くらいに思っていました。
でも今振り返ると、すごく本質的だったなと思います。

新しくお店を出すときって、つい
• 広告をどうするか
• チラシをどうするか
• Webでどう見せるか
• オープンキャンペーンをどうするか

みたいな話になりがちです。

もちろんそれも大事です。
でも、本当に地域で長く続けることを考えるなら、それだけでは足りない。

その場所で営業していく以上、
その地域の人たちやお店との関係性の中で存在していくことになる。

だから、ただ集客施策を打つだけではなく、
地域にどう入っていくか
が大事になるんですよね。

これは、近距離でも遠距離でもない。
まさに中距離の話だと思います。

長く続くお店は、中距離が強いことが多い

10年、20年と長く続くお店って、近距離だけが強いわけでも、遠距離だけが強いわけでもない気がしています。

近距離が強いお店は、来店した人の満足度が高い。
接客がよくて、また行きたくなる。
LINEや会話や接客で、再来店のきっかけがつくれる。

遠距離が強いお店は、認知を取るのがうまい。
SNSや広告で新しいお客さんを呼べる。

でも、それだけだと、長期で続くかどうかはまた別の話です。

長く続くお店には、その間にある
中距離の強さ
があることが多い気がします。

これは広告レポートには出てきません。
SNSのインサイトにも出てきません。
でも、たぶんお店の寿命にはかなり効いている。

私はそう思っています。

中距離は、効いているのに軽視されやすい

中距離マーケティングって、近距離や遠距離よりも軽視されやすい気がします。

理由はわかりやすくて、
成果が見えにくいから
です。

LINEの友だち数は見える。
広告のクリック数も見える。
SNSの再生数も見える。

でも、地域のお店との関係性とか、近所の人からの信頼とか、商圏内での評判って、数字にしにくい。

だから後回しにされやすい。

でも、長く続くお店ほど、こういう見えにくいものを雑にしていない気がします。

むしろ、そういうものをちゃんと大事にしてきたからこそ、10年、20年と続いているのかもしれません。

お店は「地域の中でどう存在しているか」が大事

お店って、ただそこに物件を借りて営業しているだけではなく、
地域の中で存在しています。

特に実店舗はそうです。

どんな人が住んでいるか。
どんな人が働いているか。
周りにどんなお店があるか。
地域の中でどう見られているか。

こういうものの影響をすごく受ける。

だから、実店舗のマーケティングを考えるときに、
「新規客をどう集めるか」
「来店後どうつなげるか」
だけではなく、

地域の中でどう存在するか
を考えることが大事なんだと思います。

この視点が抜けると、近距離と遠距離だけが強いお店にはなれても、
長く続くお店にはなりにくいのかもしれません。

近距離・中距離・遠距離、全部大事。でも中距離は見落とされやすい

私は、マーケティングを
• 近距離
• 中距離
• 遠距離

の3つで考えています。

近距離は、来店後・接客中の接点。
中距離は、地域・生活圏の中で届く接点。
遠距離は、広く認知を取る接点。

全部大事です。

でも、実際には中距離が抜け落ちやすい。

近距離は接客やLINEで意識しやすいし、
遠距離はSNSや広告で話題になりやすい。
一方で中距離は、ちょうどその間にあるぶん、見落とされやすい。

でも、長く続くお店を見ていると、
この中距離をちゃんと押さえていることが多い気がします。

派手な施策ではない。
でも、地域の中に味方がいる。
近所で名前が通る。
ふと思い出してもらえる。
応援してくれる人がいる。

この強さは、かなり大きいです。

距離マーケティングは、「何をやるか」ではなく「どことの関係をどうつくるか」を考えること

私は、マーケティングを「施策の種類」で考えるだけでは足りないと思っています。

SNSをやるか。
LINEをやるか。
広告を出すか。
チラシをまくか。

もちろんそれも大事です。

でも本質的には、
その施策がどの距離の接点をつくるものなのか
を考えることのほうが重要です。

来店した人との関係を深めるのか。
地域の中で存在感をつくるのか。
まだ知らない人に認知を広げるのか。

それによって、打つべき施策も、順番も、役割も変わってきます。

クリエイティブジャンプでは、こうした顧客との接点を「距離」で捉える考え方を、距離マーケティングと呼んでいます。

LINE公式アカウントなど来店後・接客中の接点を「近距離」。
ポスティングや商圏内配布、地域との関係づくりのように生活圏で届く接点を「中距離」。
SNSや広告、PRなど広く認知を獲得する接点を「遠距離」。

この3つを分けて考えることで、
「何をやるか」だけではなく、
誰と、どの距離で、どうつながるか
が見えてきます。

そして、長く続くお店を見ていると、
近距離や遠距離だけではなく、
この中距離がしっかりしていることが多い。

だから私は、
これからお店のマーケティングを考えるとき、
「SNSをやるか」「LINEをやるか」という話の前に、

このお店は、地域の中でどう存在しているか。
どの距離の接点が強くて、どの距離が抜けているか。

そこから見ていくことが大事だと思っています。

長く続くお店は、地域の中に根を張っている

長く続くお店は、たぶん偶然続いているわけじゃない。

近距離でお客さんとの関係をつくり、
中距離で地域の中に根を張り、
遠距離で新しい認知を広げている。

そのバランスがあるから、続いていく。

だからこそ私は、
集客は「量」だけではなく、「距離」で設計するものだと考えています。

派手な施策を打つ前に、
来店した人とどうつながるか。
地域の中でどう存在するか。
そのうえで、どこまで広げるか。

この順番と役割を整理することで、
お店のマーケティングはもっと強くなるはずです。

そして、10年、20年と続くお店には、
そのヒントがすでにたくさんある気がしています。

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株式会社クリエイティブジャンプのメンバー。マーケティングとクリエイティブの最前線で活動しています。

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